地球規模で環境問題や資源枯渇の解決が議論される中、多くの企業が社会課題の解決をミッションに掲げ、イノベーションを起こそうと力を注いでいます。 一方で、研究開発フェーズから事業化までのリードタイムが長く、長期投資の考え方や社会実装にハードルを感じている企業も多いのではないでしょうか。 今回は、株式会社日立製作所の研究開発グループにて社会イノベーション事業の創出に取り組む谷崎 正明 氏をゲストにお迎えし、同社の研究開発拠点「協創の森」より、イノベーション創出に向けて進化する研究開発のリアルな挑戦をお届けします。 同社は、2015年に顧客協創方法論を体系化した「NEXPERIENCE(ネクスペリエンス)」をまとめ、研究者とデザイナーがチームを組んでお客様と向き合い、現場課題解決型の社会イノベーション事業の創出を実践してきました。 さらに、2019年に東京・国分寺市にある中央研究所内に「協創の森」を開設し、その取り組みを加速させ、顧客起点でアイディアが生まれ、形にする環境をつくってきました。 「NEXPERIENCE」をとりまとめた谷崎氏は、社会イノベーション事業を実現させるために、いかに「協創の森」での活動を設計し、どのようにプロジェクトを推進してきたのでしょうか。 そして現在、市場環境が変化し、経済価値だけでなく社会価値や環境価値も問われ、複数のステークホルダとともに社会課題の解決に取り組むことが期待されており、協創のアプローチにもアップデートが必要となってきました。 イノベーション創出を加速させるべく、デザインセンタ長である谷崎氏は、今求められる研究者やデザイナーの思考力をどのように捉えているのでしょうか。 データとテクノロジーでサステナブルな社会の実現に向け、社会イノベーション事業のさらなる推進を宣言している同社。 試行錯誤を重ねながら柔軟に物事を捉える谷崎氏と共に、イノベーションの発信拠点である「協創の森」から、同社の活動の進化に迫ります。
----- 本セミナーは、レポート記事でもご覧いただけます。 日立製作所様のオウンドメディア「Linking Society」に掲載されております。こちらをご覧ください。
・社会課題解決をミッションとする技術・研究部門管掌の役員・部長の皆様 ・イノベーション創出に取り組む研究開発・技術企画・知財領域の責任者・担当者様 ・新規事業を推進する経営企画・事業開発部門の責任者・担当者様
Guests
- 谷崎 正明株式会社日立製作所 研究開発グループデジタルサービス研究統括本部 デザインセンタ センタ長
1995年に株式会社日立製作所に入社後、中央研究所にて地図情報処理技術の研究開発に従事。2006年よりイリノイ大学シカゴ校にて客員研究員として計算機交通科学のテーマに参画。2015年より東京社会イノベーション協創センタ サービスデザイン研究部部長として顧客協創方法論NEXPERIENCEをとりまとめる。2017年より社会イノベーション事業推進本部にてSociety5.0推進および新事業企画に従事したのち、研究開発グループ 中央研究所 企画室室長を経て、2021年4月より現職にて、社会イノベーション事業の創生に向けた協創活動の実践、顧客経験価値のデザイン、協創アプローチ・方法論の体系化を、デザイナーと研究者とともに推進するデザインセンタのマネジメントに従事。
- 伊藤 竜一株式会社ユーザベースSPEEDA事業執行役員 技術領域事業CEO
2007年名古屋大学大学院工学研究科を修了後リクルートに入社。製造業のヒト組織課題解決に従事。2016年ユーザベースに参画。経営の意思決定支援が技術部門の課題解決に横展開できる市場期待に着眼。技術・知財経営の重要性を説き、SPEEDA上に「特許・論文・科研費動向及び研究者情報」等を機能拡張した『SPEEDA R&D』の企画および事業・組織立上げをリード。技術者が輝き、技術が大きな経済価値になる社会の実現を志す。
- 半澤 瑞生株式会社ユーザベースSPEEDA R&D/FORCAS Marketing Manager
大学卒業後、米国大学留学。帰国後、大企業役員向けのマッチングビジネスなどを展開する英系グローバル企業に入社。法人営業を経て、日本支社経営全般と売上/人事管理に従事。2016年、ユーザベースSPEEDA事業マーケティングチームにジョイン。2020年よりSaaSマーケティング横断組織の主メンバーとして、SPEEDA R&Dマーケティングの立ち上げ、SPEEDA R&D/INITIALマーケティングマネジャーを経て、2022年よりSPEEDA R&DとFORCASマーケティングマネジャーを兼務、現在に至る。